お風呂でのハプニングから始まった夜。酔っ払ったおにいたんが突然浴室に入ってきて、ふらふらと私の隣に座り込んだかと思ったら、「あれ~??こんなところに僕の天使がいる…。」なんて言って、そのまま寝ちゃうなんて、もう本当にびっくりだよ!
「キャーッ!!!おにいたん、ここで寝ちゃダメだってば!」と思わず叫んじゃったけど、彼の顔を見たら、なんだか無防備な寝顔で、ついどうしていいかわからなくなっちゃった。どうしよう、どうしようって、心の中でパニックになりながらも、頭の中では「冷静に、冷静に!」って自分に言い聞かせてた。
(おにいたんのことをしっかり守らなきゃいけないのに、私、どうしよう、全然準備できてないよ!)
とりあえず、このままお風呂場で寝させておくわけにはいかないから、なんとかおにいたんを運び出さなきゃって思ったんだ。でも、おにいたんの体は重たくて、引きずろうとしたら滑っちゃって、「わあっ!」って私まで転んじゃって。もう情けなくて、泣きたくなっちゃったけど、ぐっと堪えて立ち上がったの。
「大丈夫、大丈夫。ユリシアならできるって…!頑張れ、私!」と自分に言い聞かせながら、何とかおにいたんを廊下まで引きずり出したの。汗で髪が額に張り付いてきて、息も荒くなって、もう大パニックだったけど、ここで諦めるわけにはいかない!
(よし、次は濡れた服をなんとかしないと!でも…どうやって?学院で習った救護の方法…確か、低体温症の時は…服を脱がせて乾いたタオルで包んで…ええと…!)
おにいたんの服を脱がせようと思った瞬間、「きゃぁ…っ!」って心の中で叫んじゃったよ。だって、こんな状況で冷静になんてなれないよ!でも、おにいたんの健康がかかってるんだから、私が頑張らなきゃいけないんだって気持ちを振り絞って、必死に服を脱がせたの。
「ごめんね、おにいたん…。ちょっとだけ我慢してね…!」って声に出しながら、服を脱がせて、慌てて乾いたタオルで体を拭き始めたんだけど、手が震えてうまくいかなくて…。何度も何度もタオルを彼の肌に当てて、ようやく少し落ち着いてきたの。
(私、なんでこんなにドキドキしてるの?おにいたんのこと、ただ助けてあげたいだけなのに…!)
タオルで拭き終わった後、震える手で新しい服を取って、「さ、さあ…これで大丈夫なはず…!」と呟きながら、おにいたんにパジャマを着せてあげたの。でも、その間も心臓がバクバクで、頭の中がぐるぐるしてて、何が何だかわからなくなりそうだった。
(こんな時に、おにいたんにどうしても冷静な顔を見せたいのに…。私、本当にちゃんとできてるのかな?)
ようやくおにいたんをベッドに運び込んだときには、私の体も汗びっしょりでヘトヘトだったけど、彼の穏やかな寝顔を見たら、少しだけホッとした。だけど、心の中のドキドキはまだ全然収まらなくて…。
「おにいたん、あのね…。私、あなたが大好きで…いつもそばにいたいんだよ…。だから、これからもずっと私を見ていてね」と小さな声でつぶやきながら、彼の髪をそっと撫でてあげた。