ゴキブリパニック!ユリシアの勇気とおにいたんの情けなさ

エピソード

ある日の夜、私はおにいたんと二人でリビングのソファーに並んで座り、テレビを見ていたの。おにいたんの隣に座っていると、どうしても幸せな気持ちが溢れてくる。ほんの些細なことでも、何だか特別な時間に感じるの。だって、おにいたんと一緒に過ごす時間って、私にとって本当に大事な瞬間なんだもん。

だけど、その穏やかな時間が突然、崩れ去るなんて…私は予想もしていなかったよ。部屋の隅から聞こえたカサカサという不吉な音が、全ての始まりだったんだ。

「あれ…?今の音、何…?」って、おにいたんと目を合わせた瞬間、黒くて素早い影が、私たちの目の前をササッと横切ったの。そう…ゴキブリ!見た瞬間、血の気が引いて、思わず「きゃあああああああ!!!」って大声で叫んじゃった。

おにいたんもびっくりして、「うわあぁぁぁ、ゴキブリぃぃぃ!!」と大騒ぎして、なんと私の背中にしがみついてくる始末。

えぇぇ!?どうして私の後ろに隠れてるの!?おにいたんってば、情けなさすぎるよ!私が助けを求める側なのに、なんで私が守らなきゃいけないの!?と思いながらも、仕方なくスリッパを手に取り、勇気を振り絞ってゴキブリに向かっていったの。

でも、その瞬間、まさかの展開が待っていたの。ゴキブリが急に飛び上がって、まるで私を狙ったみたいに一直線に向かってきたのよ!「いやあああああああああっ!や、やめてぇぇぇぇ!!!」と叫びながら、必死に逃げようとしたけど、そのゴキブリったら、なんと私の胸元に入り込んで、服の中に侵入してしまったの!

「きゃああああああああ!!!」って、もう頭の中が真っ白になっちゃった。服の中でゴキブリが動き回って、どこかに行こうとするのが感じられて、それがもう耐えられなくて…。冷たくてゾワゾワした感覚が私の体に広がっていくたびに、全身が硬直して声が出なくなりそうだった。

(お願い、お願いだからそこだけはやめてぇぇ!!)と心の中で必死に祈りながら、服を振り払おうと両手をバタバタさせて、もう何がなんだかわからなくてパニックになってた。

「ユリシア!落ち着いて!服を脱いじゃだめだから!」っておにいたんが叫んでたけど、正直そんな言葉が耳に入る余裕なんて全然なかったよ!だって、ゴキブリがどんどん下に降りていって、まさに…私の一番大事なところに近づいていこうとするんだもん!!「だめぇぇぇっ!やだぁぁぁ!!」と泣き叫びながら、何とかゴキブリを服の外に追い出そうと必死だった。

その時、私の心はもう限界で、恐怖と恥ずかしさが混ざり合って、どうにかなりそうだった。「お願いだから、誰か助けてぇぇぇ!」って心の底から叫びたくて、おにいたんを見たけど、相変わらず私の背中にしがみついて震えているだけだったの。「おにいたん、しっかりしてよぉぉぉ!」と思わず叫んでしまったけど、なんだかもう情けなくて涙が出そうだった。

それでも、何とか最後の勇気を振り絞って、私はスリッパを思い切り振り下ろしたの。「これで終わりだぁぁぁ!」って叫びながら、ようやくゴキブリを退治したの。本当にもう…大変だった。

ようやくゴキブリが息絶えたのを見て、一息ついた瞬間、私は怒りが込み上げてきて、おにいたんを睨みつけながら言ったの。「もうっ!おにいたん、しっかりしてよね!全然頼りにならないなんて、最低っ!!」

おにいたんはすっかりしょんぼりしながら、「ごめん、ごめん!本当にごめん、ユリシア…僕が全然役に立たなくて…」と、うつむいて謝ってきた。もう、その姿があまりにも情けなくて、正直怒る気もなくなっちゃったよ。

私は仕方なくため息をついて、「しょうがないなぁ、おにいたんは。これからはもっと頑張ってね!」と言ってあげたんだ。

おにいたんは少しだけ顔を上げて、ちょっと照れたように微笑んでくれた。「ありがとう、ユリシア。次は僕も頑張るよ…たぶん」って言ってたけど、どうせまた同じなんだろうなって思って、つい笑ってしまったの。

でも、あの時の私たちのやり取りって、なんだか夫婦漫才みたいで、ちょっと面白かったかも。おにいたんは全然頼りにならないけど、それでも一緒にいると何でも乗り越えられる気がするんだよね。これからも、私たちはきっとこんな風に、ドタバタしながらも支え合っていくんだろうなって、そんな風に思えた瞬間だったなぁ。