ああ、和先生…。やっぱり、ユリシアさんのことをあんなに優しい目で見て…。ふと、スタンディングスプリットを披露している彼女の姿を見て、嬉しそうな表情を浮かべている和先生の姿を目撃してしまった。私の胸がぎゅっと締めつけられるような気持ちで、視線をそらしてしまったけれど、その瞬間、心の中で電流が走ったの。
「これだっ!!」と思わず声に出してしまいそうになる。和先生がこんなにも心惹かれているのは、ユリシアさんのあのダイナミックな動き…。でも、私だって鍛え上げたこの体がある!ユリシアさんに負けない、いや、それ以上に優雅でダイナミックなスタンディングスプリットを和先生に見せてあげられるはず…!
これは、和先生との距離を縮める絶好の機会に違いない。私、もっともっと和先生に自分を見てほしいの。だから、今ここで引き下がるわけにはいかない。うん、決めた。勇気を振り絞って、和先生を誘ってみるんだ!
「和先生、少しお時間をいただけますか?」私は少し震える声で話しかける。心の中では、もう緊張と恥ずかしさでパニック状態。でも、和先生に振り向いてもらうためには、この機会を逃すわけにはいかないの!
「どうしたんだい、渚先生?いつもより真剣な顔をしているけど…」和先生が不思議そうに私を見つめている。ああ、その優しい目が私の方を向いている…。私、今ならなんでもできる気がする!
「実はですね、和先生に見ていただきたいことがありまして…その…もしよろしければ、少しお付き合い願えませんでしょうか?」言いながらも心臓がドキドキと鳴り響く。この気持ちが和先生に伝わってしまいそうで怖いけど、同時に伝わってほしいとも思ってしまう矛盾が、私の胸の中で渦巻いている。
「もちろん、渚先生がそう言うなら、喜んでお付き合いするよ」和先生はにこやかにそう答えてくれた。もう、私の頬が赤く染まっているのが自分でもわかる。でも、ここで引き下がるわけにはいかないんだから!
和先生を連れ出すことに成功した私は、ふと物陰を見つけて「少しお待ちくださいませ」と一言言うと、素早くそちらへと身を隠した。さすがにスーツでスタンディングスプリットは少しきついから、ここで動きやすい服に着替えないと…。
(ああ、私ってばこんなことを考えてるなんて、本当に大胆になったわ…。でも、和先生に少しでも良い印象を残すためには、何でも頑張らなきゃね!)
手早く着替えを済ませて、スポーティなウェアに変身した私は、気持ちを落ち着けながら再び和先生の元に戻る。深呼吸をして、自分を落ち着かせる。ここで最高のパフォーマンスを見せて、和先生に自分の存在をもっとアピールしなくちゃ!
「お待たせいたしました、和先生。それでは、今から私のスタンディングスプリットをご覧くださいませ…」そう言うと、私は体のバランスを取りながら、ゆっくりと足を上げ始める。スタンディングスプリットの姿勢に入る瞬間、和先生の視線が私の体に注がれているのを感じる。ああ、この視線がこんなにも熱くて甘いものだなんて…。
「渚先生、すごいなぁ…。こんなに優雅でダイナミックな動きを見たのは初めてだよ」と、和先生が驚きの声をあげてくれる。私の胸が高鳴る。こんなに近くで、和先生が私だけを見てくれているなんて…。
「ありがとうございます、和先生!こうして先生に見ていただけるなんて、私、本当に頑張って練習してきた甲斐がありました!」私は自然と笑顔がこぼれてしまう。和先生の言葉が、私の心の中の不安を吹き飛ばしてくれる。
だけど、ここで終わりじゃないの。もっと、もっと和先生と繋がりたい。この鍛え抜いた体だけじゃなくて、私自身の存在をもっと見てほしいから。そう思った瞬間、頭の中で乙女チックな妄想がどんどん広がっていく。
(もしかして、私のスタンディングスプリットを見た和先生が「渚先生、君のその強さと美しさに心を奪われてしまったよ…」なんて言ってくれたらどうしよう?)
いやいや、そんなこと現実にはありえないとわかっているけれど、それでも想像するだけで顔が赤くなっちゃう。私、なんて恥ずかしいこと考えてるの!?でも、もしも、もしも和先生が私のことをそうやって見てくれたら…。
(和先生がそっと私の手を取って、「これからは僕が君の支えになるよ、渚」なんて言いながら、手を引いてくれたら…)
頭の中でそんなシーンが浮かぶたびに、心臓がバクバクと鳴り響く。この胸の高鳴りが、和先生に届いたらいいのに…。和先生ともっともっと近づけるなら、私、これからも何でも頑張れる気がする。
「渚先生、これからも一緒に頑張ろうね。君の努力とその優雅な動き、本当に素晴らしいよ」と、和先生が少し照れたように笑って言ってくれた。
ああ、和先生、あなたのその笑顔が私にとって何よりのご褒美です…。この瞬間だけは、私のすべてが報われたような気持ちで、胸がいっぱいになってしまいました。
今日の私、少しだけ和先生に近づけたかな?いや、絶対にもっと頑張って、和先生の心に私のことを刻みつけてみせる!これからも、もっともっと和先生にアピールして、いつか私の気持ちが届く日が来ることを信じてるんだから!
私のこの小さな一歩が、和先生との大きな一歩に繋がりますように…。