朝の澄んだ空気が漂う中、私はまだ和先生からのメッセージに胸をドキドキさせていた。前日に和先生から「明日、一緒にハイキングに行かないか?」と誘われたとき、私は一瞬で心が跳ね上がってしまったのです。
「え、ええっ!?和先生と…二人で…ハイキング…ですか?」と、つい口走ってしまった私に、和先生は少し照れくさそうに微笑みながら、「歓迎会みたいなものさ、気軽に行こうよ」と言ってくれました。
(もう、どうしよう…。あんなふうに誘われたら、断れるわけがないじゃないですか!でも、こんな私でいいのかしら…。先生の期待に応えたい、もっと素敵に見せたいな…)
そんなふうに思いながらも、心の底から湧き上がる嬉しさは隠しきれず、私は「はい、お供いたします」と答えたのでした。ああ、和先生と二人きりで過ごせるなんて、夢のような時間になりそうです。
朝、和先生の赤いハッチバック車で迎えに来てもらい、少し緊張しながら車に乗り込みました。「おはようございます、和先生。わざわざ迎えに来てくださって、ありがとうございます」と、控えめに微笑んでいると、和先生は少し照れくさそうに「いやいや、今日は渚と一緒に過ごせるのが楽しみだからね」と言ってくれました。
(ああ、先生ってば…。そんなふうに言われたら、私、ますます期待しちゃうじゃないですか。でも、これって本当にデートなのかな?それともただの…先生の親切…?)
車内で昔話に花を咲かせながら、私たちは山のふもとへと向かいました。和先生が私の学生時代を思い出しながら話してくれるたびに、私の心にはあの頃の感謝と、今でも変わらない特別な想いが溢れてきます。
山に到着し、ハイキングを始めると、和先生の明るい声が響きました。「渚、見てごらん。この景色、すごく綺麗だよね」。私は景色を見るふりをしながらも、実際は和先生を目の端で追っている自分に気がつきました。
昼食のために山小屋にたどり着くと、和先生が用意してくれたサンドイッチを手に取った私は、少し照れくさそうに「和先生のサンドイッチ、美味しいです…」と、小さな声で呟きました。でも心の中では、もっと素直に甘えてみたい自分もいて…。
和先生が突然、「昔の渚を思い出すよ。今も本当に美しくて、僕もびっくりしてる」と言ってくれた瞬間、私は思わず俯いてしまいました。でも、その言葉に心がとろけそうになり、ついに勇気を出して和先生の腕にそっと触れてしまったのです。
「和先生って…ずるいんですから。そんなこと言われたら、私…私…」と、恥ずかしさで声が震える私に、和先生は「渚、本当に綺麗だよ」と優しく微笑んでくれました。
下山の途中、夕焼けに染まる空を見上げながら、私はふと和先生の手を握り、「和先生、今日は本当に楽しかったです…これからも一緒にいられたら、私、もっと頑張れる気がします」と小さな声で言いました。
和先生もその言葉に応えるように、私の手を優しく握り返してくれて、「渚とこれからもたくさんの時間を共有したい」と笑ってくれました。ああ、和先生ともっと一緒にいられたら…それが私の心の奥に秘めた願いなのです。
(また先生に甘えちゃった。でも、今日は少しだけ素直になれてよかった…。これからもずっと、和先生の隣にいられたら…なんて、夢を見てもいいのかな?)
夕暮れの光に包まれながら、私は和先生との未来を静かに夢見ていました。