車に乗り込んだ茉里絵は、スマホを握りしめながら少し緊張していた。迎えの車の中、静かに走る車の中で、彼女はユリシアに教えてもらったチャットのアカウントを開き、画面を見つめる。初めて自分から誰かにメッセージを送ることが、茉里絵にとっては大きな一歩だった。
「どうやって送ればいいのかしら…」
彼女は指先で文字を打とうとしたが、すぐに止めてしまう。メッセージを送ること自体が何だか大げさな気がしてしまい、ためらいがちだ。しかし、ユリシアと友達になりたいという気持ちは、胸の奥で確かにあった。
(ここで何も送らなかったら…もしかして、ユリシアさん、私のことを変に思うかもしれないわね…。)
茉里絵はスマホをじっと見つめ、勇気を振り絞ってメッセージを打ち始めた。
茉里絵
「今日は、ありがとう。ユリシアさんとお話できて嬉しかったわ。」
メッセージを入力し終えた瞬間、胸がドキドキと高鳴る。これでいいのかしら、と心配しながらも、画面を見つめる。
(あれ…もしかして、絵文字を使わないとそっけないかしら?)
絵文字の使い方が分からずに悩んでいると、ふと野上がミラー越しに茉里絵を見た。「お嬢様、何かお困りですか?」と優しい声で問いかける。
「ええ…その、絵文字の使い方がまだよく分からなくて…」と小声で答える茉里絵。すると、野上は穏やかに微笑みながら、「こちらをタップしていただければ、お選びいただけますよ」と親切に教えてくれた。茉里絵はそのアドバイスに一瞬驚き、続けて深く感謝の気持ちが湧き上がる。
「あ…本当にありがとう、野上。助かるわ…いつもありがとうね!」と、いつもより少し嬉しそうな声で彼に感謝を伝えた。野上の優しいサポートに、茉里絵は内心ホッとしながらも、ほんの少し頬が赤らむのを感じた。「これで、もう少し自信を持って送れるかも…」そう心の中で呟きながら、彼女はそっと画面をタップした。
今日は、ありがとう😊 ユリシアさんとお話できて嬉しかったわ✨
送信してすぐに、ユリシアから返信が返ってきた。
茉里絵さん!こっちこそ嬉しかったよ〜✨ すぐ仲良くなれた気がするし、これからもいっぱい話そうね💖
ええ、ぜひまたお話しましょう。ユリシアさんと話すのが楽しくて…😊 それに、ユリシアさんのメイド喫茶の話も面白かったですわ💖
茉里絵は少しずつ、絵文字を使うのが楽しくなってきた。野上のアドバイスもあって、気が楽になったからだ。
メイド喫茶は楽しいよ〜!✨ 茉里絵さんも参加したら、絶対に似合うと思うな!みんなびっくりしちゃうよ💖
茉里絵は、ユリシアからの暖かい言葉に心が温まるのを感じた。普段は他人との付き合いが苦手な彼女だったが、ユリシアとの会話はどこか気楽だった。
本当に…?そんな風に言ってもらえると少し安心しますわ✨ ただ、メイド服が似合うかどうかが少し心配ですけれど…😳
絶対似合うよ!✨ それに、茉里絵さんならきっとお客さんも大喜びだよ💖 今度は一緒にメイド喫茶でイベントしようよ!🌸
それは少し勇気がいりますわね…。でも、ユリシアさんが一緒なら、頑張れるかもしれません😊
茉里絵は思わず笑みを浮かべ、スマホの画面を見つめながら、もう少しだけユリシアと話を続けたいと思った。
頑張ろう!✨それから、ツインドリルのセット方法、今度教えてほしいな〜💖茉里絵さんの髪型、すごく素敵だから真似したい!
ツインドリルのセット方法ですか?ふふっ、それなら、私の秘密を教えて差し上げますわ💖😊 特別レッスンということで✨
茉里絵はツインドリルのことを教えるのが、少し楽しみになってきた。友達に自分が教える立場になるというのは、なんだか特別な感じがして、ワクワクしていた。
やった〜!💖じゃあ、今度はメイド服着てツインドリルでお揃いにしよっか?😊✨
それもいいかもしれませんわね。少し照れくさいですけれど…😊
茉里絵は、次にユリシアと会うのが楽しみになってきた。今まで友達とのこういった軽やかなやり取りはほとんどなかったが、ユリシアとは自然に話が弾む。彼女に対してだけは、自分の心を少しずつ開いているのだと感じた。
車内の静けさの中、茉里絵は画面を見つめ、次に送るメッセージを考えていた。