夕暮れ時の保健室。オレンジ色に染まる窓際で、渚先生は和先生の姿を見つめていた。朝からずっと、アマゾネスの衣装で過ごしてきた彼女の心は、今この瞬間、より一層深い想いで満ちていた。
「さあ、和先生どうぞこの上に横になってください」
ハロウィンの装飾を片付けている最中に腰を痛めてしまった和先生を、渚先生は心配そうな眼差しで見つめる。28歳になった今、母校の教壇に立って一年。学生時代からの憧れは、同僚として過ごす日々の中で、より確かな想いへと変わっていった。
*『朝は私の衣装を褒めてくれた和先生なのに…
やっぱり無理してたんだ…😢
生徒の頃から、いつも頑張りすぎる和先生のことを見てきたから…』*
「申し訳ありません…渚先生の片付けのお手伝いもできないまま」
和先生は申し訳なさそうに診察台の方へ向かう。朝の穏やかな笑顔が、痛みで曇っているのが胸を締め付けた。
「そんなこと言わないでください。むしろ私がもっと早く気付くべきでした」
渚先生は女戦士の鎧を軽く叩いた。朝のユリシアの前で誇らしく思えた重厚な銀色の装備も、今は少し邪魔に感じる。
*『この鎧じゃマッサージもできないわよね…
でも脱いだら、この黒いインナー姿で和先生に触れることになるなんて…💓
学生の頃には想像もできなかった距離で…』*
「少々お待ちください」
渚先生は一旦カーテンの向こうへ。肩と腕の鎧を外すと、黒いタイトな戦士用のインナーウェア姿になった。首元から手首まで、大学院時代から続けてきた鍛錬で磨き上げた体の線が浮かび上がる。
*『なんだか、すごくドキドキする…😳
朝は堂々としていられたのに、今は女性として意識してしまう…
でも今は和先生の痛みを和らげることが先よ!
…それにしても、こんな風に近くで触れ合えるなんて…🥰』*
「お待たせしました。では、ゆっくり横になってください」
和先生がうつ伏せになると、渚先生は優しく両手を温め始めた。かつて保健室で優しく声をかけてくれた背中が、今は目の前にある。
*『和先生の背中、こんなに近くで触れるの初めて…
大学院で勉強を重ねて、やっと先生として戻ってこられた…
今こうして、恩返しができる…💕』*
「ここが、特に辛いんですか?」
腰に触れると、和先生が小さく息を呑む。朝の颯爽とした姿からは想像もできない、か弱い反応に胸が騒ぐ。
「は、はい…そこです…」
普段の落ち着いた口調とは違う、少し上ずった声が返ってきた。
*『和先生の声が普段と違う…
もしかして私の手つきがヘンだったかな?
…でも、この声だけで胸がキュンとしちゃう…🤭
まるで、学生時代に戻ったみたい…』*
「力の加減はいかがですか?」
「はい…ちょうど…良いです…」
*『リラックスしてきてくれたみたい…
朝は「本物のアマゾネスだね」って言ってくれたけど
今は違う私を感じてくれてるかな…
この距離で、和先生の柔らかな髪の香りまで感じちゃう…💗』*
渚先生の手つきは優しくも的確で、徐々に和先生の体から力が抜けていく。時折漏れる安堵のため息に、渚先生の心臓は高鳴り続ける。
*『昔は保健室で私を励ましてくれた和先生
今日は私が守れて嬉しい…
ずっと憧れだった人を、今こうして支えられる幸せ…💭』*
「少し楽になってきました…朝から、渚先生には度々助けられてばかりで…」
「良かった…でも、もう少し続けさせてくださいね。朝のアマゾネスとは違う、優しいケアで」
*『正直に言えば、ずっとこの時間が続けばいいのに…
和先生の温もりを感じながら、そっと寄り添っていられる
やっと先生として戻ってこられて、こんな風に近くで…😌』*
窓から差し込む夕陽が、二人の姿を優しくオレンジ色に染めていく。
朝の賑やかな校舎とは打って変わって、保健室には心地よい静けさが流れていた。
「渚先生…本当にありがとう。朝からずっと、素敵な一日でしたよ」
「いいえ…私こそ、特別な一日を、ありがとうございました」
*『本当は「大好きです」って言いたいけど…
今は、この想いと一緒に、そっとしまっておこう
学生の頃からの憧れは、今では確かな愛情に変わって…
朝は戦士として、夕暮れは一人の女性として
和先生の前で輝けた今日は、きっと宝物…🌙』*
夕暮れの保健室。
診察台で横たわる和先生と、黒いインナー姿で優しくマッサージを続ける渚先生。
二人の間には、学生時代から教師となった今まで、静かに育まれてきた想いが漂っていた。