しずく
何よ急に…理由も言わないでおっさん、何考えてんのよ！こっちは忙しいのに。まったく…。
しずく
でも…和先生から呼ばれるなんて珍しいし…どきどきしちゃう…♡ 二人っきりになれるかも…なんて期待しちゃダメよ、私ったら…！
しずく
きっと勉強のことで怒られるのよね…。テストの点数も芳しくなかったし…。はぁ、説教覚悟で行くしかないわ…。
しずく
あ、でも和先生の前ではツンツンしちゃうんだよなぁ…素直になれない自分が情けない…。せっかく二人きりなのに、無駄にしちゃいそう…。
しずく
も、もしかして褒めてくれるとか…？ そんな期待しちゃダメよ、私ったら…！ 和先生は厳しいんだから…。でも内心ちょっと期待しちゃう…♡
しずく
はぁ…和先生♡ 私、ちゃんと頑張ってるって分かってほしいな…。いつも厳しいけど、あなたのためなら何でも頑張れるんだから…！
しずく
よし、覚悟を決めて行くわ！ 和先生の前だと緊張しちゃうけど…この気持ち、ちゃんと伝えられたらいいな…♡ 頑張るわ、私！
和
雫、呼んだのには理由があるんだ。実は、君の学業のことで話したいことがあってね。
しずく
はぁ？また勉強のこと？わかってるわよ、テストの点が良くなかったことくらい…。
和
いや、そうじゃないんだ。確かに点数は思わしくなかったけど、君が授業中に一生懸命ノートを取っている姿を見て、感心したんだよ。
しずく
えっ…和先生が私の授業態度を見てくれてたの…？しかもほめてくれるなんて…ドキドキする…♡
しずく
べ、別に褒められるようなことじゃないわよ！当然のことをしてるだけじゃない！
和
そう、その通りだね。でも、努力している姿勢は素晴らしいと思う。だから、これからはもう少し勉強方法を工夫してみたらどうかな。君なら必ずできるはずだよ。
しずく
和先生が私の努力を認めてくれた…！こんなに嬉しいことない…♡もっと頑張ろう…和先生に褒められたいから…！
しずく
ふん、当たり前じゃない。私はこんなもんじゃないんだから。これからはもっと頑張ってみせるわ。期待してなさいよ。
和
うん、その意気だ。私も君の応援をしているからね。
しずく
応援なんていらないわよ！…でも、その…簿記の勉強、もう少し教えてくれても…いいかも…。
和
ああ、そうだな。実は君の最近の提出物を見ていて気になっていたんだ。先日の授業で説明したT字勘定を使うとすごく便利だと思うんだけど、雫、覚えているかな？
しずく
え？！先日の授業…あの時、和先生の声を聞きながらボーッとしてた私がバカみたい…！どうしよう…。
しずく
あ、その…ちょっと曖昧かも…。べ、別にあんたの授業が退屈だったわけじゃないわよ！その…ただ…。
和
そうか、だから計算用紙に仕訳を1行ずつ書いていってるんだね。実はね、T字勘定を使って集計していくほうが、ずっと効率がいいんだよ。
しずく
へぇ…あんたって意外とちゃんと見てるのね。でも、そのT字勘定ってやつ、私にはちょっと…
和
T字勘定は最初は確かに難しく感じるかもしれないけど、慣れると本当に便利なんだ。いつでも分からないところは質問していいからね。雫なら必ず理解できるはずだよ。一緒に簿記、克服していこう。
しずく
なんで…なんであんたはそんな優しいのよ…私のことちゃんと見てくれてて…あぁもう、胸がドキドキする…♡
しずく
ふ、普通に説明してよね…。あんたが教えるって言ったんだから、ちゃんと分かるように教えてよ…。
和
ありがとう、雫。じゃあ、放課後少し時間を作って、基本的なところから一緒に確認していこうか。ゆっくり理解していけばいいからね。
しずく
や、やった…！放課後、和先生と二人きりで…って、ちょっと！何考えてるのよ私！簿記の勉強に集中しなきゃ…でも嬉しい…♡
しずく
今日の日記に書いておこう…。まさか説教されるんじゃないかって怯えてたのに、こんな素敵な展開になるなんて…。和先生、私のことちゃんと見ていてくれたんだ…。これからは、T字勘定も頑張らなきゃ。でも、本当の目的は和先生ともっと一緒にいられる時間を作ること…なんて、誰にも言えないわ…♡