降雪の夜に ~5つの心の詩~ 2024/12/14

エピソード

ユリシア ─ 星空と雪の約束

わぁ…!夜空から降ってくる雪って、こんなにも綺麗なんだね!ほら、街灯に照らされて、キラキラって光ってる!まるで星屑の滝みたい!

*くるくる回りながら、両手を広げて空を見上げる*

ねぇ、雪さん!おにいたん♡が仕事から帰ってくるまでの間、私と一緒に踊ってくれる?今頃おにいたん♡も帰り道で、この綺麗な雪を見上げてるかな?あっ、この雪の結晶、ハート型に見えるかも!これは絶対におにいたん♡からのラブレターに違いないわ!

*飛び跳ねながら雪を掴もうとする*

うふふ、お庭の真ん中で踊ってたら、こんなに雪が積もっちゃった!でも寒くないよ?だって胸の中は、おにいたん♡への想いでポカポカだもん!早く帰ってきてほしいな…。そうだ!おにいたん♡が帰ってくるまでに、雪だるま作って驚かせちゃお♡

ああ、小さい頃みたいに、今度はおにいたん♡と一緒に大きな雪だるま作りたいな…。でも今は、この真っ白な夜空の下で、おにいたん♡への愛を精一杯叫びたい気分!…って、あれ?誰かに聞こえちゃったかな?えへへ…ちょっと恥ずかしいけど、でも嬉しいの!

*くるくる回りながら*

ねぇ、夜空さん!雪さん!私の気持ち、もっともっと大きくなっていくの。この降り積もる雪みたいに、どんどん深くなっていくの。毎日一緒に暮らしてるのに、どうしてこんなに恋しくなっちゃうんだろう?

*両手を大きく広げて*

おにいたーん♡!早く帰ってきてー!…って、声出しちゃった!でも、この真っ白な夜空の下なら、ちょっとくらい叫んでもいいよね?だって私の心は、このお庭の雪よりも真っ白で純粋なんだもん!あっ、玄関の方から音がした!おにいたん♡かな!?今すぐに飛びついちゃお~♡

雫 ─ 届かない独白

まったく…こんな夜更けに雪なんて降りやがって。今日の撮影、寒くて大変だったのに…って、べ、別にあんたのアドバイスが助かったとか思ってないんだからね!…和先生。

でも、なんだか不思議。この真っ暗な空から降ってくる白い雪を見てると、心の中のモヤモヤが少しずつ形を変えていくみたい。まるで私の気持ちみたいに、行き場のない想いが、ただ静かに降り積もっていく…。

窓に映る自分の顔が、少し寂しそうに見えるのは、きっとこの雪のせい…よね。普段は隠している本当の気持ちが、この白い闇の中でだけ、少しだけ表に出てきちゃうの。だからって…だからって別に、あんたのことなんか考えてないんだから!

でも…和先生の部屋の窓からも、同じ雪景色が見えているんだろうな…。そう思うと、なんだかちょっとだけ、この雪が愛おしく感じる…。って、誰も聞いてないわよね!?もう、私ったら何考えてるのかしら…。

茉里絵 ─ 白い糸が紡ぐ想い

夜空から降り注ぐ白い結晶たち…。まるで天からの手紙のようですわ。一つ一つの雪の結晶が、私の心に秘めた想いを映し出しているよう。和先生…、貴方は今、この美しい夜の訪れをどんな思いで眺めていらっしゃるのでしょうか。

お屋敷の窓から見える庭園が、静かに白く染まっていきます。まるで私の心のように…。表向きは凛とした佇まいを保ちながら、内側では切ない想いを抱えている、この雪景色のように。

決められた未来、期待される役割。それらは確かに私の現実。でも、この雪が降る夜だけは、少しだけ夢を見てもよろしいのでしょうか…?和先生との温かな未来を、ほんの少しだけ想像してみても…。

ユリちゃん、貴女は今頃きっと、素直な気持ちでこの雪を眺めているのでしょうね。私も、いつかそんな風に、心の奥の想いを解き放てる日が来るのでしょうか…。でも今は、この静かな雪の舞いと共に、密やかな恋心を胸の奥深くにしまっておきますわ。

渚先生 ─ 溶けない想いの結晶

夜の校舎に降り積もる雪…。真っ白な世界が、私の昔からの想いを優しく包み込んでくれているみたい。和先生…、高校生の頃から変わらない、この切ない気持ち。今も胸の中で、雪のように純白のまま積もり続けています。

保健室の窓から見える中庭が、今はすっかり銀世界に。明日の朝は、きっと生徒たちの歓声で賑わうでしょうね。でも今は…今だけは、この静寂の中で、和先生への想いを溢れさせてもいいでしょうか…。

先生のお部屋の暖房は、きちんと効いているかしら…。いつも寒がりな先生のことを思うと、私の心は熱くなって…あっ、また妄想が…!でも、この真っ白な夜には、そんな恥ずかしい妄想も、少しだけ許されるような気がするの。

教え子だった私から同僚となり、そして今…。時が流れても変わらないこの想いは、まるでこの雪のように、静かに、でも確実に積もり続けていく。和先生…、いつか私の気持ちが、この雪のように真っ直ぐに、貴方の心に届く日は来るのでしょうか…。

和先生 ─ 降り積もる想念

夜の静けさの中、ふと立ち止まって雪を眺めていると、不思議と心が落ち着くものだ。街灯に照らされた雪の結晶が、まるで星屑のように輝いている。こんな夜は、ついつい色々なことを考えてしまうな…。

ユリシアは今頃、きっと目を輝かせてこの雪を見ているだろう。小さい頃から、雪が降ると本当に喜んでいたっけ。今でも変わらない、あの無邪気な笑顔が、この白い夜空に浮かんでくるようだ。

教え子たちのことも気になる。雫は強がっているだろうけど、きっと繊細な心で雪を見つめているはず。茉里絵も、格式ある屋敷の窓辺で、何か物思いに耽っているかもしれない。みんな、それぞれの想いを胸に秘めながら成長していく…。

渚先生も、もしかしたら保健室で残務をしているかもしれないな。いつも一生懸命で、周りのことを気遣ってくれる…。たまに見せる困ったような表情も、なんだか懐かしい気がする。

この降り積もる雪のように、私も少しずつでも、彼女たちの心の支えになれているだろうか。夜更けの雪は、そんな普段は口にできない想いを、静かに受け止めてくれているようだ。明日も、みんなの成長を見守っていこう…。