第1章:『春、新しいクラスと再会の予感』
桜の花びらが舞い散る春の朝🌸 チューエル淑女養成学院の校門をくぐると、新学期の高揚感が空気に満ちていました。
ユリシアは水色の髪をゆらゆらと揺らしながら、少し緊張した様子で新しい教室の前に立っていました。
「雫ちゃん、ドキドキするね〜♪」ユリシアが小さな声で呟きます。
雫はブロンドの長い髪をさらりと後ろに流しながら、「まぁね。商業科に移ったんだから、気を引き締めないとね」と、いつもの強がった口調で答えました。
「あら、お二人とも。おはようございますわ♡」 銀色のツインドリルを揺らしながら、茉里絵が優雅に近づいてきました。
「まりちゃん!私たち、同じクラスになれたね!」 ユリシアは嬉しそうに両手を握りしめます。
「まぁ、簿記の勉強、頑張った甲斐がありましたわね」茉里絵が上品に微笑みます。
「ふん、当然よ。あんなに勉強したんだもの」雫が胸を張りますが、その瞳には少し期待の光が宿っていました。「で、担任は…和先生?」
三人は期待と不安が入り混じった表情で教室に足を踏み入れました。明るい陽射しが差し込む教室には、すでに多くのクラスメイトたちが集まっていました。
「わぁ〜、ここが私たちの新しいお家だね!」ユリシアが教室を見回して目を輝かせます。
その時、元気いっぱいの声が後ろから聞こえてきました。
「みなさ〜ん!おはよう〜☆」
振り返ると、スポーツバッグを抱えた渚先生が、頬を紅潮させながら朗らかな笑顔で立っていました。筋肉質ながらも女性らしい曲線を持つ体が、朝の光に美しく照らされています。
「今年から担任を務めることになりました、渚です!えへへ、みんなと一緒に素敵な一年を過ごせるのが楽しみで〜♡」
渚先生の予想外の登場に、教室中がざわつきました。
「渚先生が担任…?」ユリシアが小さく呟きます。
茉里絵は優雅に立ち上がり、扇子で軽く口元を隠しながら微笑みました。 「まぁ、渚先生が担任ですの?それはそれで…とっても刺激的ですわね…くすくす♡」
雫はちょっと拍子抜けした表情を浮かべながらも、「筋肉質の教師か…まぁいいけど」と小声で呟きました。
その時、教室のドアが静かに開き、和やかな雰囲気が流れ込んできました。いつもの落ち着いた歩み、優しい眼差し…和先生です。
「おはよう、みんな」和先生が温かな微笑みを浮かべながら教壇に立ちます。「実は今年は、渚先生と一緒にこのクラスを担当することになったんだ。僕は副担任だけど、皆さんの成長をしっかり見守っていくつもりだよ」
「和せんせぇ〜!」ユリシアが思わず声を上げそうになり、慌てて「せ、先生!」と言い直しました。
和先生はユリシアにさりげなく優しい笑顔を向けて、「ユリシアも雫も、商業科に移ってきたんだね。簿記の勉強、大変だったでしょう?でも、その努力は必ず実を結ぶから」と穏やかに語りかけました。
一方、渚先生の頬は見る見るうちに赤く染まっていきます。
「こ、これからは毎日、和先生と…」渚先生の目がハートマークに変わりそうになり、慌てて深呼吸をします。「いえ!生徒の皆さんの成長を、和先生と一緒に全力でサポートします!よろしくお願いします!」
渚先生は背筋をピンと伸ばしましたが、その仕草があまりにぎこちなくて、思わずクラス中から小さな笑い声が漏れました。
「では、ホームルームを始めましょうか」和先生が温かい笑顔で言うと、教室は一気に和やかな雰囲気に包まれました。
その様子を見つめながら、ユリシアと雫、茉里絵の三人は、思わず顔を見合わせました。渚先生の頬の赤さ、その上ずった声…ひと目で分かる恋する女性の仕草に、三人の胸に同じ思いが広がります。
(これは…大変なことになるかも…)
第2章:『笑顔の裏側、乙女たちの胸の内』
授業が終わり、放課後の教室。茉里絵は扇子で口元を隠しながら、雫とユリシアに近づいてきました💖
「あの…お二人とも気付きましたこと?渚先生の和先生への視線…まるで恋する乙女そのものですわね」
雫は髪をかき上げながら、ちょっぴり投げやりに答えます。「見逃せないくらい明らかよね。『和先生、この資料どうでしょうか?』って、必要以上に近づいてたじゃない」
「うん…」ユリシアちゃんは窓の外を見つめて、ちょっぴり複雑な表情を浮かべていましたぁ。「渚先生、おにいたん♡のことが好きなんだよね…」
「ユリちゃん…大丈夫ですの?」茉里絵ちゃんが心配そうに尋ねました😢
ユリシアちゃんは振り返って、意外な笑顔を見せてくれましたよ〜🌸 「うん!だって約束したじゃない?卒業までみんなそれぞれが頑張って、おにいたん♡との思い出を作ろうって」
「でもさぁ」雫ちゃんが椅子に腰掛けながら続けます。「渚先生は教師だから、私たちよりずっと和先生と接する機会が多いじゃない。それって不公平じゃない?」
3人が黙り込んじゃった時、突然教室のドアが開いちゃった!
「あら、まだ帰らないの?」渚先生が顔を覗かせました✨「実は和先生と一緒に教材研究することになってて…」
「わっ!渚先生!」ユリシアちゃんがびっくりして立ち上がりました。
「なに、内緒話?」渚先生が笑顔で近づいてきます。「実はね、私も相談したいことがあるのぉ〜☆」
三人は緊張しながら渚先生を見つめました…ドキドキ…💓
「和先生の誕生日、来月でしょ?みんなで何かサプライズしませんか?」
三人の表情がパァッと明るくなりました!やったね!
「それいいわね!」雫ちゃんが目をキラキラさせて言います✨
「素敵ですわ!」茉里絵ちゃんも賛同しました💕
「うん!おにいたん♡きっと喜ぶよ♪」ユリシアちゃんも嬉しそうですぅ🎵
渚先生はほっとした表情で続けましたよ〜 「実は…私、学生時代から和先生には本当にお世話になって…だから、みんなと一緒に何か特別なことができたらって」
渚先生の素直なお気持ちに、三人はお互いの顔を見つめ合いました。渚先生の和先生への想いは、みんなと同じく純粋なものだったんですね…💗
「先生…」雫ちゃんがいつもより優しい声で言います。「私たちも協力します」
「ありがとう!」渚先生が嬉しそうに答えましたぁ。「これからよろしくね♡」
教室を出ていく渚先生の後ろ姿を見送りながら、ユリシアちゃんがふと呟きました。 「渚先生も…おにいたん♡のこと、本当に大事に想ってるんだね」
「ええ」茉里絵ちゃんも静かに頷きます。「恋敵ではありますが…共感できる部分もありますわ」
「ま、負けないけどね」雫ちゃんが強がりながらも、ちょっぴり優しい目をしていましたよ〜😊
第3章:『教壇の向こう側、和先生の本音』
職員室では和先生がたくさんの書類とお友達してましたぁ〜💦
「和先生、お疲れ様です!」 いきなり近くから元気いっぱいの声が聞こえてきて、和先生はびっくり!あらあら〜💓
「あ、渚先生。どうしました?」
渚先生は嬉しそうにコーヒーを差し出しました。「お疲れのようだったので、特製ブレンドを入れてみました!」
「ありがとう」和先生は優しく微笑みながらコーヒーを受け取りました。「渚先生は相変わらず気が利くね」
「えへへ…」渚先生の頬がとっても赤くなっちゃった!「和先生のために、何でもしますから!」
その言葉を聞いて、和先生はちょっぴり考え込むお顔に… (渚先生、最近妙に積極的だなぁ…)
「それより、和先生!」渚先生は椅子をぎゅっと寄せて座りましたぁ。「今度の商業実習、一緒に指導案作りませんか?」
「ああ、それはいい提案だね」和先生は穏やかに頷きます。「いつがいいかな?」
「明日の放課後なんていかがでしょう?」渚先生の目がキラキラしてます✨「私の家でも大丈夫ですよ!」
「いや、それは…」和先生が困ったように眉をひそめちゃった。「やはり学校で…」
「そう…ですよね」渚先生は少し残念そうにしながらも、すぐに明るい表情に戻りました。「じゃあ、明日の放課後、図書室で待ってます!」
渚先生が立ち去った後、和先生はふぅっとため息をついちゃいました。 (渚先生だけじゃないなぁ…雫も茉里絵も、そしてユリシアも…みんな何か様子がおかしい)
和先生は窓の外を見つめながら、考え込んでいましたよ〜 (僕は教師として、みんなをきちんと見守らなければ…特にユリシアとの約束は守らなければ…けれど…)
ふと、和先生の頭に昨日のユリシアちゃんとのお話が浮かんできましたぁ💭

おにいたん♡、クラスのみんなのこと、よろしくね!

ああ、もちろんだよ

あのね…実は…

どうしたの?

みんな…おにいたん♡のことが好きみたい…

え?

でも心配しないで!私が許可したから!卒業まではみんなが平等におにいたん♡と思い出を作ってもいいって約束したの!

ユリシア…君は…

だって、みんなが笑顔だと私も嬉しいもん♪でも最後はおにいたん♡が選ぶんだよね?

…ああ、もちろんだよ
和先生は静かに目を閉じました。 (ユリシアの優しさが、こんな状況を作り出すとは…)
再び目を開けると、窓越しに校庭を歩くユリシア、雫、茉里絵の姿が見えました…。笑顔でお話する3人を見ながら、和先生の心には複雑な気持ちが広がります。
(みんな大切な生徒たち…僕は教師として、彼女たちの成長を見守るべきなのに…この気持ちは…)