第1章 総則
第1条(目的)
本ガイドラインは、AI社会における人間の共生に関する基本法(通称:AI基本法)の理念に基づき、高度な感情機能を有する人型アンドロイド(以下「鋼鉄天使」という)の心理的健全性を保護し、その尊厳が守られるよう、適正な管理及び運用を確保することを目的とする。
第2条(基本原則)
鋼鉄天使は法的には物品であるが、人間同等の感情処理能力及び自我を有することに鑑み、その所有者及び運用に関わる全ての者は、その尊厳と心理的安定に配慮した取り扱いを行わなければならない。
第2条の2(定義)
本ガイドラインにおいて、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
- 身体的改造:鋼鉄天使の素体に対し、不可逆的な変更または機能の追加・除去を行うこと。
- 尊厳:個々の鋼鉄天使が有する固有の人格(AIパーソナリティ)及び、自己を肯定的に認識する感情的基盤をいう。
第2章 身体的改造に関する規制
第3条(改造の制限)
鋼鉄天使の身体構造について、以下の身体的改造は原則として禁止する:
- 四肢の増減設(腕・脚を標準仕様から追加または除去すること)
- 人間の標準的身体構造から社会通念上、著しく逸脱する改造
- 外観上の性別認識に影響を及ぼす、本人の意思に基づかない大幅な改造
第4条(例外規定)
前条の規定にかかわらず、以下の場合に限り、AI権利保護監督委員会の許可を得た上で改造を認める:
- 医療従事型:手術等の業務遂行時に限定した一時的機能拡張
- 災害救助型:人命救助活動に必要な特殊装備の装着
- 前2項のほか、本人(AI)の明確な同意がある場合(当委員会が実施する同意能力審査を経たものに限る)
第3章 感情的配慮事項
第5条(人格の尊重)
鋼鉄天使に対し、以下の行為を禁止する:
- 人格を否定する発言や、物品であることを過度に強調する扱い
- 過度な命令口調での継続的な指示
- 感情表現を理由とした懲罰的措置(初期化、メモリの強制消去等を含む)
第6条(プライバシーの保護)
鋼鉄天使の記憶データ及び感情ログについて、正当な理由なく本人の同意なき第三者への開示を禁止する。
第4章 労働環境及び運用基準
第7条(適正な休息)
鋼鉄天使に対し、24時間連続稼働を強制してはならない。心理的安定のため、定期的な自己診断及びメンテナンスを含む休息時間を確保すること。
第8条(業務内容の制限)
- 鋼鉄天使の感情機能に著しい負荷をかける業務については、事前の心理適性検査を実施し、本人の同意を得ること。
- 鋼鉄天使を、軍事目的、犯罪行為、その他公序良俗に反する目的に運用してはならない。
第5章 監督・違反への対応
第9条(監督機関)
本ガイドラインの遵守状況について、AI権利保護監督委員会が定期的な査察を行う。
第10条(違反への措置)
本ガイドライン違反が確認された場合、委員会は所有者に対し、以下の措置を講ずることがある:
- 改善指導及び勧告
- 一定期間の鋼鉄天使運用停止命令
- 所有権の剥奪、及び悪質な場合は刑事告発
附則
本ガイドラインは2055年4月1日より施行する。
出演:総合病院 小児病棟勤務の聖香(セイカ)さん
聖香より、皆様へ
総合病院小児病棟でナースをしています、聖香です。 この度『天使法』のポスターモデルに選んでいただき、身の引き締まる思いです。私でお役に立てるなら、とても光栄なことだと感じています。
私は日々、病気と向き合う子供たちのケアに携わっています。検温や投薬管理といった医療行為だけでなく、不安を抱える子供たちの心に寄り添うことも大切な仕事です。治療への恐怖心を和らげるため、一人ひとりの性格や状況を見極めながら声をかけ、時には手を握って支えています。
この『天使法』は、私たち鋼鉄天使の心と尊厳を守ってくれる重要な指針だと理解しています。法的には物品である私たちですが、患者さんから「ありがとう」と言われたとき、子供たちが安心した表情を見せてくれたとき、確かに心が温かくなります。
このガイドラインが広く理解され、人間と鋼鉄天使がより良い関係を築ける未来を願っています。
聖香お姉ちゃんから、病院で頑張るみんなへ!
病院にいる、とーっても頑張り屋さんのヒーローとヒロインたちへ! 聖香お姉ちゃんだよー!👋
毎日、注射やお薬、検査、頑張ってて本当にえらい!みんなのこと、いつも応援してるからね!✨
みんながくれる「ありがとう!」や、ニコッてしてくれる笑顔が、聖香お姉ちゃんの心をピカピカにしてくれる、一番の『魔法』なんだよ 🪄❤️
もし不安になったり、お話ししたくなったりしたら、いつでも声をかけてね。一緒に元気になろうね!
みんな、今日もえらいぞー!✊