🌙 Secret Diary 🌙 ~雫のツンデレ日記~(第2学年編・27)

和先生と学ぶ♡淑女の簿記検定物語第2学年雫の日記
2025年10月8日(水曜日) 深夜1時23分

眠れない。

あと3日。たった3日で、私の運命が決まる。

日商簿記2級と3級のダブル受験。正直、無謀だって分かってる いや、違う。私ならできる。やってみせる。

机の上には、和先生が作ってくれた試験対策プリントが山積みになってる。全部で47枚。一枚一枚に、赤ペンで丁寧にコメントが書かれてる。

「雫なら必ず理解できる」
「ここは試験に出やすいから、もう一度確認しておこう」
「よく頑張った。この調子だ」

…馬鹿みたい。こんなコメント読むたびに、胸がきゅーっとなって、顔が熱くなって。あのおっさん…いや、和先生は、きっと他の生徒にも同じように書いてるんだろうけど。

でも、私だけは違うって信じたい。

ツンデレ雫の本気の告白

♡ ♡ ♡

今日の放課後、柚羽に教えてる時、ふと思った。

夏休み前の私だったら、誰かに簿記を教えるなんて、想像もできなかった。「借方」と「貸方」の違いすら分からなくて、イライラして、教科書を投げ出したくなってた、あの頃の私。

それが今では、柚羽に「雫先輩のおかげで分かるようになりました!」なんて言われて。

嬉しい。すごく、嬉しい。

でも、それ以上に嬉しいのは、和先生が私の成長を見てくれてること。

昨日、職員室で質問した時、和先生が言ってくれた。
「雫、本当に成長したな。もう、立派な簿記の先生みたいだ」

その瞬間、心臓が爆発しそうだった。嬉しくて泣きそうになった 平静を装うので精一杯だった。

べ、別に…当然でしょ」って言ったけど、本当は「もっと褒めて!もっと見てて!」って叫びたかった。

✕ ✕ ✕

月曜日の月見の夜。

茉里絵にからかわれた。「最近、ツンデレが薄くなってきた」って。
…バレてる。完全にバレてる。

前は「あのおっさん」って呼ぶのが当たり前だったのに、最近は自然に「先生」って呼んでる。質問する時も、素直に「教えてください」って言えるようになった。

恋って、人をこんなに変えるんだ。

でも、まだ怖い。

もし試験に落ちたら?
もし、和先生の期待を裏切ったら?
もし、「やっぱり雫には無理だったか」なんて思われたら?

考えるだけで、吐きそうになる。

不安に駆られる雫

- - -

ユリシアのことも、複雑。

あいつ、相変わらず「おにいたん♡」って甘えてるけど、最近少し違う。山登りの時みたいな必死さが、ちょっとだけ薄れてきてる気がする。

もしかして、余裕?
それとも、何か変わり始めてる?

渚先生は…正直、強敵。大人の女性の魅力っていうの?和先生と同僚として自然に隣にいられるのは、ずるい。

でも、私には私の武器がある。

簿記。

和先生と同じ土俵で、対等に話せる唯一の分野。これで合格したら、きっと…きっと和先生は、私のことを「ただの生徒」じゃなくて、「パートナー」として見てくれるはず。

☆ ☆ ☆

明日からラストスパート。

3級の仕訳はもう完璧。2級の工業簿記も、だいぶ理解できてきた。原価計算のところがまだ少し不安だけど、あと3日あれば…

できる。私ならできる。
和先生が信じてくれてるんだから。

試験が終わったら、告白する。

なんて、無理無理無理無理

でも、せめて「先生のおかげで合格できました」って、素直に言いたい。
「先生に教えてもらえて、本当に良かった」って。
「これからも、よろしくお願いします」って。

それくらいなら、言えるかな…?

♡ ? ♡

あー、もう!考えてたら余計眠れなくなった!

明日も朝から勉強なのに。柚羽との勉強会もあるし、和先生への質問もまだいくつか残ってる。

でも、今だけは、素直になってもいいよね。

和先生、好きです。

大好きです。

試験、絶対に合格してみせます。

だから、見ててください。

…なんて、恥ずかしい。
もし誰かに見られたら、死ぬ。特にユリシアとか茉里絵とか。絶対に死ぬ。

でも、日記にくらい、本当の気持ちを書いてもいいよね。

あと3日。
私の、本当の勝負が始まる。