10年ぶりの雪山小屋にて…
ユリシア
おにいたん、見てみて！窓から雪が見えるよ！
和先生
本当だね。きれいだ。懐かしいね、この景色。
ユリシア
おにいたんと二人きりで雪山に来れるなんて…ドキドキする…♡
ユリシア
おにいたん、覚えてる？前にここに来た時のこと…
和先生
ああ、もちろん覚えているよ。ユリシアはその時まだ6歳だったね。
〜10年前の思い出〜
ユリシア
ねえねえ、おにいたん！はやくはやく〜！雪、降ってきたよ！
和先生
危ないよ、ユリシア。走ると転んじゃうよ。
ユリシア
でも嬉しいんだもん！おにいたんと一緒に雪山に来れて、すっごく嬉しいの！
ユリシア
雪だるま作ろうよ！ね、おにいたん！
和先生
いいよ。でも手袋が濡れすぎないように気をつけてね。
ユリシア
これは私！これはおにいたん！
ユリシア
おにいたん、約束してね？また大きくなっても、一緒に雪だるま作ろうね？
和先生
ああ、約束するよ。
ユリシア
もうひとつ約束して…
和先生
なんだい？
ユリシア
わたし、大きくなったらおにいたんのお嫁さんになるから…
和先生
子供の無邪気な言葉だろう…そう思っていたけれど…
〜現在、雪山小屋にて〜
ユリシア
この赤いマフラー…おにいたんが9歳の誕生日にくれたの。覚えてる？
和先生
ああ、インフルエンザで寝込んでた時だね。
ユリシア
うん。「来年は必ず雪を見に行こうね。その時はこのマフラーを巻いて行こう」って言ってくれたの…
ユリシア
おにいたんからのプレゼント、ずっと大切にしてきたの…♡
和先生
まだ持ってたんだね。
ユリシア
当たり前だよ！おにいたんからのプレゼントなんだもん。大切にしてるんだから…
和先生
ユリシア…こんなに大切に思ってくれていたなんて…
和先生
ユリシア…外に出てみないか？雪、止んだみたいだよ。
ユリシア
うん！行く行く！
〜雪の中での告白〜
ユリシア
綺麗…
ユリシア
ねえ、おにいたん…今度は雪だるま、一緒に作ろうよ？
和先生
ああ、約束だったね。
和先生
昔と同じように無邪気に笑うユリシア…でも、その瞳に宿る想いは、もう可愛い子供のころとは違うんだね。
ユリシア
これは私、これはおにいたん♡
ユリシア
こうすると…手をつないでるみたいでしょ？
和先生
そうだね。
ユリシア
勇気を出さなきゃ…今この瞬間に…
ユリシア
おにいたん…覚えてる？私が「おにいたんのお嫁さんになる」って言ったこと。
和先生
ああ、覚えてるよ。
ユリシア
あれは…子供の戯言じゃなかったんだよ？今でも同じ気持ちだよ…いや、もっと強い気持ちかも…
和先生
ユリシア…もう昔の小さな女の子じゃないね。その大切な気持ち、ちゃんと受け止めるからね。
ユリシア
今度は私が約束する番だよ。これからもずっと、おにいたんの傍にいるね。
和先生
僕も約束するよ、ユリシア。ずっと一緒にいよう。
〜暖炉の前のエピローグ〜
ユリシア
ねえ、おにいたん。
和先生
なに？
ユリシア
また来年も来ようね、ここに。
和先生
ああ、約束だね。
ユリシア
おにいたん…?
和先生
（優しく微笑みながら）うん、なんだい？
ユリシア
わたし…本当に幸せ…♡
ユリシア
10年前の約束、ちゃんと覚えていてくれたんだね…。次はもっと大きくなった時に、もう一つの約束も果たせますように…
和先生
ユリシア…これからの未来も、ずっと君を守っていくよ。
❅ Memories photos ❅
