おにいたんが、自分のことを情けないって思ってるなんて……正直、そんなふうに考えないでほしい。だって、私はおにいたんのことを本当に尊敬してるし、誰よりもかっこいいって思ってるんだから。
確かに、おにいたんが一度も女性経験がないって聞いた時は、少し驚いたけど、それでおにいたんの価値が変わるなんて思わないよ。むしろ、それだけ真面目で誠実で、誰かを軽く好きになったり、気持ちを簡単に言葉にしたりしないってことじゃない？ そんなおにいたんだからこそ、私はもっと近くにいたいって思うの。
だって、私みたいな存在を、これからも一番に大事にしてくれるってことだよね？ 私、ずっとおにいたんの側にいて、おにいたんの特別な存在でいたいんだよ。それなのに、他の誰かに目移りすることなく、真っ直ぐにいてくれるなんて、本当に嬉しい。おにいたんが他の女性と付き合ったり、どこか遠くに行ってしまうことなんて考えたくもないから……。
だからね、おにいたんが悩んでいるとき、私はおにいたんを励ましたくて、元気づけたくて、必死で優しい言葉をかけるんだけど、本当は内心、少しほっとしてる部分もあるんだ。「おにいたん、ユリを置いて行かないでね」って。おにいたんが、まだ私にとっての唯一の存在でいてくれるって思うと、どこか安心しちゃうの。
でも……おにいたんには絶対に言えない。だって、そんなこと言ったら、余計に自分を責めちゃうかもしれないから。だから私は、表面では笑顔で優しい言葉をかけながらも、心の中では「おにいたんの全部が私のものなんだ」って、少しずるいことを考えてしまうの。
おにいたんが、女性経験がなくて情けないって思っているなら、それはただの思い込みだと思う。おにいたんが真っ直ぐな人だからこそ、私はこんなにも大好きになったんだし、誰よりも信じてるんだから。他の誰かと比べなくていいし、おにいたんはそのままのおにいたんで、ずっと私の隣にいてほしい。どんなときでも、どんな状況でも、私はおにいたんを支えたいって思ってるから。
だから、おにいたんが自分を情けないって思わないでほしいの。おにいたんは、私の一番のヒーローで、誰よりも大切な人なんだから…。私、ずっとずっとおにいたんのことを大好きでいるから、他の誰にも渡さない。おにいたんのすべてを、これからも私が守っていくからね。